Diary 2007. 6
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6月20日 (水)  第4回定演後記☆

去る6月16日、当団の第4回定期演奏会が無事終了しました。
ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。
ロビーで伺った限りではお客様の評判もよく、「楽しかった!」というお声を多数頂き、ほっと安堵しているところです。

ちなみに、今年の来場者数は364名(招待含む)。今年用意していた座席数は406席でしたので、席を9割埋められたことになります。ほぼ満席といってよいでしょう。とてもありがたいことでした。

今年の演奏会は、トッパンホールさんの強力なご支援もあって、非常にスムーズに進めることができました。第1回のときも思ったことですが・・・本当にトッパンホールさんは、ホールそのものの施設もすばらしいですし、何よりもスタッフの方がすばらしいのです。下見の際にも的確なアドバイスを頂きましたし、本番でも演出効果を高めるためのいろいろな工夫をしていただいて、本当に感謝してもし足りません。

打ち上げで当日のアンケートもちらっと拝見したのですが、今年は4ステージそれぞれの曲が全く違う雰囲気であることもあり、お客様によって好みが分かれたようでした。
私たちとしては、それぞれの曲にそれぞれの良さがあってどれも好きだったりしますが、
やっぱり一番苦労したのは第2ステージ「遠野遠音」でした。

空間や台詞、演技を使った演出つきの音楽、というのはBKが第1回の「ある時」以来継続して取り組んでいる分野のひとつですが、今回は、とにかく音楽そのものが難しいので、そこを消化するのにまずひと苦労、そして動きや演技をつけるのにふた苦労、その2つを両立させるのにみつ苦労・・・といった感じで。

しかし苦労した甲斐あって、少々の演奏事故はあったとしても「それはそれであり」といえる、私たちの遠野遠音をつくりあげることができたのではないかと思います。
日本の伝統に基づく音に満たされた空間で、皆さんに何かを感じていただけていたらうれしいです。

もちろん、第1ステージのゾリステンによる「廻る歌」では、日本語の美しい発音の仕方を一生懸命考えましたし(苦労の甲斐が出ているといいのですが・・・)、第3ステージの「優しき歌」では、詩のもつ美しさとメロディーの素晴らしさをどこまで表現できるか、特に演奏会前の最後の追い上げで作りこんできました。

そして、第4ステージ「額田女王」。この曲の誕生に我々が関われたことは、本当に幸せなことといってよいでしょう。室内楽と箏とソロの美しいコラボレーションに、私たちの合唱が加わることができることの、なんという喜び!
この曲は、メロディの美しさや編曲の格好よさ、題材の妙もあって、お客様にも喜んでいただけたようです。いつかまた再演できたらいいなぁ。

以下、「今だから言える演奏会裏話」

(第1ステージ)北爪道夫作曲 混声合唱曲「廻る歌」

 この曲を歌っていたブルーメンクランツ・ゾリステンは、プログラムには「団員選抜」
 と書いてありますが、実際は、「もう一曲頑張ってみよう」と思った立候補集団です。
 何せ一生懸命ですから、それなりの出来には仕上がっていた・・・と信じたい。
 すべて回文で構成されたこの歌のよさを引き出すには、日本語をいかに歌として
 発音するかがキーになってきます。きちんとお客様に歌詞が伝わっていたら嬉しいです。
 でも・・・やっぱり最初のステージというのは緊張するので声がなかなか出ませんね。

(第2ステージ)柴田南雄作曲 「遠野遠音」―柳田国男「遠野物語」と東北地方の民謡による―
 
 お気づきかもしれませんが、演奏事故が一番多かったのはこの曲です。
 しかし、シアターピースであり即興性の強い音楽でもあるので、演奏したものは
 それはそれでよし、と今では思っております。
 音がちょっと違ってたり、振り付けのないはずのところで振り付けが入ってたり・・・
 といったことは起きましたが、それでも動揺することなく、音でホールを満たし続ける
 ことができた集中力は、自団のことながら天晴れと思いました。

(第3ステージ)新実徳英作曲 混声合唱とピアノのための「三つの優しき歌」

 一番の難関を越えたこともあって、このステージは、淡々と冷静に歌いきることが
 できたと思います。久住先生のすばらしいピアノにも助けられ、ホールに独特の
 哀しく美しい世界を描けていたらいいなぁと思います。
 たぶん、この曲が事故も一番少なかったはず。

(第4ステージ)山田香作曲 「額田女王」中大兄皇子の章 熟田津にて(委嘱初演)

 アンコールを除けば、一番人気のステージ。
 山田さんの作曲力は感動ものです。そしてオケもソリストも素晴らしかったです。
 聴いている人がわかりやすく、面白い曲というのは、
 概して歌っているほうは飽きやすいものなのですが、この曲は全くそんなこともなく、
 ずっと難しくあり続けながら、しかしわかりやすさを保っている。
 箏の音も、その味を保ちながら、しっかりとオケに溶け込んでいましたし、
 我々合唱のパートも、美味しい箇所満載で歌い甲斐がありました。

 演奏中、盛り上がりすぎてリズム周りで少々事故がありましたが・・・
 少しでも曲の魅力を伝えられていたらいいなぁと思います。

 この曲は、おそらく壮大なストーリーのごく一部のハイライトで、
 きっとこの前後にいろんな章がくっついて一つのオペラ(あるいはオラトリオ?)に
 なっていくのだと思いますが、いつかそれも含めて演奏する機会があったらいいな、
 と思いました。その節は、山田さんよろしくお願いしますね!! 

(アンコール)小林秀雄作曲 混声合唱組曲『伊勢志摩』より「お伊勢まいり」

 アンケートの評判が一番よかったのはこの曲でした(笑)
 確かに、私たちも歌っていて一番楽しかったし、お客様の反応もすごかった!
 この曲は、ある意味で今回の演奏会の根っこの部分を体現している曲なので、
 先生の思い入れも強く、歴代のアンコール曲の中でも一番練習したような気がします(笑)

 普段の練習のときからずっとテンション高く歌ってきたつもりなのですが、
 フォルテの表現は、歌ってる側としても本番が一番迫力があったような気が・・・
 やっぱり、演奏会の高揚感ですかね?

 ところで、今回のプログラムの表紙についていた風景写真は、
 実は伊勢神宮の写真です。気付いた方、いたかしら?

演奏会終了後、トッパンホール2Fのレストランで、お手伝いや共演者の皆様、そして兄弟団体のChor AKの方々などをお迎えしてレセプションを行いました。
毎年いろんな仕込み(?)がある当団のレセですが、今年もメ●ドが登場したり、某皇子がリアルおのろけを披露したり、にぎやかに行われました。
そして、2次会もオールで(笑)

今年は色々ネタもあって、オールでもあっという間に感じるほど楽しい飲み会でした♪

・・・そんなわけで、BK第4回定演も無事終了です。
今回の演奏会は、総じて私たちにとっても何らかの手ごたえがあり、次の発展につなげていく原動力になりそうな、いい雰囲気の締めくくりになったと思います。

2週間のお休みをはさんで、7月からは新年度に向けて、再びコンクールに挑戦です。
もし、BKの演奏会を聴かれて興味を持ってくださった方がいらっしゃいましたら、
是非この時期にお越しくださいませ☆音取りからしっかりフォローしますので。。。

お待ちしてま〜す♪